花は野にあるように
「ん。
実は、そんな事になっていた自覚ないんだよな。
だから、俺にとっては普通にしていたのに、いつの間にかって感じでさ。
今、振り返って考えて見れば、あぁ、そうだったかな、って思えるんだけどな。」


そこでちょっと言葉を止めると、リョクはヘヘッと笑った。


「ガキだったって事だよな。
自分の状態も把握出来てなかったんだからな。
まぁ、だけど親父がそんな俺の状態に気付いて、オフクロと相談してさ。
親父と一緒にドイツに行くことになった。
親父の仕事に海外の調査が増えたのも、理由のひとつだけどさ。」
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