花は野にあるように
「んな、誉めてもらえるようなもんじゃなかったんだって。
簡単な日常会話って、『これいくら?』とか『トイレどこ?』みたいなヤツだけだったしな。」


ちょっと照れているように、リョクは頭を掻いている。


え、でも、それだけでも、充分すごいよ。


「たった6才で、ちゃんとそれだけ言えたんでしょ?
それって充分すごいよ。」


僕は力説してしまう。


「ホントにそんなすごくなんてねぇよ。
必要になるから覚えただけだしな。」


ちょっと照れた表情のまま、リョクは僕を見た。
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