花は野にあるように
「なんか、想像つかないや。
ずうっと、リョクが沈黙していたなんて。」


僕がそう言うと、リョクはちょっと軽くにらむように僕を見て、僕の鼻をベシッとはじいた。


「痛っ!」


急に攻撃されて、僕は思わず悲鳴をあげる。


「今でも、授業中は静かにしてるっての。
ミキの前でしか、こんなに話す事ないだろ?」


覗き込むように、顔を接近させてリョクは言う。


「それに、そんな俺でもちゃあんと卒業出来たんだしな。」


ふ、と。


とっても魅力的な笑顔になって、リョクは言った。
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