花は野にあるように
「だから、多少の無理はきく自分の学校に呼び寄せて、高卒の資格を取らせたかったんだと思う。
俺の意見はまったく聞いてくれちゃいないけど、ばあさんなりに俺の事を考えてくれたことだけは間違いない。」


そう言いながら、リョクの大きな手が僕の前髪をわしゃ、とかきあげた。


少し伸びていた髪に隠れていた目に、日の光が眩しい。


「あっさりそんな事を見抜くミキって、ホントにすごいよな。
んでも、ばあさんがミキを好きなのって、それだけが理由じゃないだろうけどな。」


ふ、と笑いながらリョクはそう言った。
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