花は野にあるように
怒っているように激しく言うリョクの口調に僕は驚きながらも、ちょっと胸が熱くなったような気持ちを覚えた。


「………リョク。」


だからと言って、気のきいた事を言えるわけでもない僕は、名前を呼ぶことしか出来ないんだけど。


やだな。


なんだか恥ずかしいよ。


「ミキは誰にだって優しいし。
他人の事を思いやれるし。
俺なんかより、絶対にすごくて立派なんだ。
あの頃の俺なんて、自分の事にしか目がいかなくて、周りの事なんて考えもしなかった。
だから言葉に慣れるまで口をきかなかったりなんて真似が平気で出来たんだし。」
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