花は野にあるように
「それで、周りの人間が悲しむとか考えてなかった。
ばあさんのガッコに通わされるのだって、余計なお世話だとしか思えちゃいなかった。
だけど、あの日ミキに出逢って。
逢ったばっかりなのに俺みたいな怪しい奴に、なついてくれるし、一生懸命に付き合ってくれるし、真面目だし、可愛いし。
そんなミキを見ていたら、ドイツに逃げ帰って俺の都合だけを押し通すのが、卑怯なんじゃないかって思い始めたんだ。」


話しながら真っ直ぐに僕を見る、リョクの視線が熱いよ。


その熱さに僕が溶けちゃいそうなぐらいに。
< 943 / 1,416 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop