花は野にあるように
「そう。
ミキのおかげで、そうやって決心できた。
まぁ、卒業公演は今までの集大成みたいなモンだから、正直言うとやりたかったっていうのが本音だけど、そこを外せばこっちの4月位からは毎週末ドイツに通わなくてもやっていけるって解っていたしな。」


そこで言葉を切ると、リョクはフッと笑った。


「ちょっとだけ大変だったけど、俺はこっちに通う事を選んで後悔してないんだ。
結果的に向こうでも卒業できた。
でもって今まで、ほとんど口もきいたことなかった、ばあさんとの距離もなんか近付けたような気がするしな。」
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