花は野にあるように
「後悔してない………の?」


あと少しで卒業できたのに?


楽しみにしていた公演に出れなくなったのに?


自分から来たいといった訳じゃない学校に転入させられたのに?


リョクは後悔していないの?


「ん。
やっぱり少しは迷ったりはしたけどさ、この夏休みに修了証書を受け取った時に、俺の選択は間違っていなかったって心の底から思えたからな。」


「そ、なの?
………修了証書って?」


ホントにそう思えたんだろうなあっていう笑顔になったリョクに向かって、僕は気になった言葉を訊ねた。
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