花は野にあるように
体操服姿のリョクは、舞台袖に見立てた教室の端から僕の方を見ている。


僕は、ベッドに見立てられた長い机の上に寝かされていたんだけど、小林さんの一言で一旦そこから降りる事になってリョクのそばへと駆け寄った。


「いよいよ、クライマックスのシーンだよね。
練習だけどドキドキするね。」


僕はリョクを見上げながら、そう話し掛けた。


「ん?
あぁ、そうだな。」


だけどリョクは小林さんの指示で机を変形させているみんなの方を見ていて、上の空のまま返事を返してくる。


変なの。


どうしたのかな?
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