花は野にあるように
身体を起こして目を開けた僕の前には。


教室の真ん中にひっくり返ってしまっている小野くんが転がっていた。


な、ど、どうして?


倒れている小野くんに、動揺してしまって僕は声も出せないままで、おろおろとしてしまう。


そんな僕の背中を誰かがそっと支えるように抱いてくれた。


「リ、リョクッ!」


その人物が誰なのかわかった途端に、僕の口から言葉が飛び出した。


「お、お、お、小野くんがっ!」


指差しながら僕が伝えようとしているのに。


「ほーら。
やあっぱり、恥じらいが必要でしょー。」
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