花は野にあるように
いつの間にか、そばまで来ていた小林さんがそんな事を言う。


「さっきはだーれも倒れてなかったけどさー。
今は武重を倒したし、ほら。
他の男子だってさー。」


その言葉に促されるように顔を上げて教室の中を見回すと、なんだかみんな少し顔が赤いような気がする。


「ねー?
恥じらいは大事でしょー?」


そ、それはあんまり良く解らないけれど。


「………僕の所為?」


なんだか、さっきとは別の意味で泣きそうな気分を味わいながら、僕は小林さんに尋ねた。


そうして、その答えは。


「あったりまえでしょー。」
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