花は野にあるように
「えっ?」


ちょっと自分の世界に浸っていた僕は少し驚いてしまいながら振り返る。


そこには先刻まで机の横で、大道具の係りの人達と話をしていた筈の小林さんが立っていた。


「先刻のはホントにごめんねー。
安全確認出来ていなくて、ビックリさせちゃったよね。
ケガとか、ホンットにないよねー?」


首を傾げながら心配して言ってくれる小林さんに、僕は頷いて笑って見せる。


「うん、大丈夫。
どこも、何にもなってないよ。」


手を振ってみせながら答える僕を見て、小林さんはホッとしたようだった。
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