花は野にあるように
「教室にいた時から、1人だけで行きたいような素振りだったし、今もなんか気まずそうに黙り込んでるし。
ホントは俺がいると邪魔なんだろ?
ミキは優しいから、俺が付いて行ったって文句は言わないだろうけど、嫌ならそう言って構わないんだぜ?」


大分傾いた西日が射し込む廊下に立ち止まったまま、リョクがそんな事を言う。


「なっ!
ぼ、僕っ、そんな風になんて思った事なんてないよっ!」


一生懸命に僕は訴える。


なのに。


「ん。
ミキは優しいもんな。
自分の気持ちより、俺の気持ちを先に考えてくれる。」
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