花は野にあるように
「ずうっと考えていたんだけど。
やっぱり僕、山元先生の菊の鉢を引っかけちゃったような気がするんだ。」


僕が朝からずうっと胸の中でもやもやと思っていた気がかりな事を打ち明けて。


数瞬の間をおいてから。


「……………へっ?」


気の抜けたような返事がリョクから返ってきた。


朝、教室に戻った時からもしかして、って思ってずうっと僕が心配していた事に、その返事はないんじゃない?


筋違いなのは良くわかっていても、ついそう思ってしまって僕は少しうらめしい気持ちでリョクを見てしまう。
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