シークレット・シェアリング~同居人は先輩社員~
何のために変わって欲しいのかは分からない。



唯、自分をもっと大切にして欲しいって言うか…キモチが上手く、まとまらず言葉では伝えられなかった。




「何度か女に叩かれたよ。でも、自分のキモチの分からない…冷たい俺に八つ当たりするかのように叩く女ばかりだった」



「えっ!?」



「母さんもそんな感じだ。何かを俺にぶつけるかのように、虐待を繰り返した」



虐待?


「朝からわりぃ~しんみりした話したな。タマ」


そう言って、謝り、佐久間さんは軽く笑う。


でも瞳は笑っていなかった。



悲しい色に染まっていた。


< 184 / 348 >

この作品をシェア

pagetop