シークレット・シェアリング~同居人は先輩社員~
疲れた身体で、郁弥は私を抱き締めた。



私は必死に彼の身体にしがみつく。


背中に回した私の指が郁弥の火傷の跡に触れる。



指先に触れる皮膚の隆起が痛々しい。


それ以上に彼の心の傷は痛々しかった。



人の愛に触れず育った郁弥の過去。



郁弥が私の全てを受け入れるように、



私も郁弥の全てを受け入れる。








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