シークレット・シェアリング~同居人は先輩社員~
「珠希…」


神妙に私の名前を呼ぶ郁弥。



「川元のコトは忘れろと言っても…同じ課だし、簡単には忘れられないと思うけど…」


「郁弥…私・・・」


私の瞳にジワッと涙が浮かぶ。


その名前を言われると、私の胸に罪の意識が湧き上がってきた。


取り返しのつかないコトをしたと私は自分を責める。



「今日は二人でデートしようー」


「…」


郁弥は私の瞳の端に零れそうになっていた涙を親指で拭う。


彼の優しさが今の私には苦しかったーーー・・・






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