シークレット・シェアリング~同居人は先輩社員~

~珠希side~

郁弥が落としていったバタフライナイフ。



あらがいようのない不安がいつまでも、心に残る。


私は雄太に郁弥から別れ話を切り出されたコトを話した。
このナイフと別れ話は結びついているんじゃあないかと思ったから。


雄太は二人で飲みに行こうと誘われた。
私が来るコトは知らなかった。





「珠希…お前は佐久間さんのコト、本当にスキなんだろ?」


「え、あ」



「だったら、もう一度、話し合えよ」



雄太の自分の心を押し殺し、私を励ます。



「そうなんだけど」


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