シークレット・シェアリング~同居人は先輩社員~
私は咄嗟に、身構えて、後ずさる。



「キスされると思った?」


くくっ…と嫌味な笑いを浮かべて、私を詰った。


「・・・」
本当に刺のある男。



「…まあー幸運祈ってるよ~」


ヒラヒラと手を振って、私に背中を向けた。

ソファーに置いた鞄を持って、玄関先に向かう。


サクヤさんのおかげで、何だか私の調子も上がってきた。


私もリビングでサクヤさんを見送り、部屋に戻ってリクルートスーツに袖を通す。


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