【短】天使と悪魔のバレンタイン
一度聞いた事のある挨拶が耳に届き、顔を上げると、3日前の青い髪の男の子が立っていました。


「あ………アンタ……」


「来てくれたんですね。良かった!」


男の子の笑顔は、空っぽな女の子の心に染みる様な、優しい笑顔でした。


パパもママも、学校のクラスメイトも向けてくれないステキな笑顔。


「まあね……何となく来てみた」


女の子の口元に、ほんのちょっとだけ笑みが宿りました。


笑ったのなんて、いつ振りの事だったでしょうか。


「座って話しません?」


女の子はそれから、男の子と色々なお話をしました。
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