【短】天使と悪魔のバレンタイン
到着すると、すでに男の子は来ていました。


遠くから見ただけでも、ドキドキしてしまう女の子。


「き、今日はアンタの方が早かったんだね!!」


チョコレートが入った袋を握りしめ、男の子の所に駆け寄りました。


ところがいつも笑っている男の子、今日は元気がありません。


「………よっ」


挨拶する声も、暗く沈んでいました。


「アンタ……どうしたの?」


女の子は首を傾げながら尋ねますが、男の子は何も言いません。


2人は暫く黙ったまま、雪が降る中佇んでいました。


帽子に小さな、雪の山が出来て行きます。
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