【短】天使と悪魔のバレンタイン
たった今まで男の子がいた場所には、その存在があった証の様に、雪が積もらず地面が見えてる部分がありました。


「イヤアァァァッ…………!」


女の子は両手で顔を覆い、膝を付き号泣しました。


両親の不仲に悩み苦しみ、自分から1人でいる事を選んだ。


それでも青い髪の男の子と出会って、笑い方を思い出して、幸せな日々を送っていたのに………


「なんで……なんで私だけ………!!」


雪降る中外にいて、すっかり冷たくなった女の子の頬を、涙の雫が伝います。


涙も雪も、どちらも頬の温度を奪うのには、十分な冷たさでした。
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