【短】天使と悪魔のバレンタイン
「え?………私に言ってるの?」


「ハイ。他に誰が?」


目の前の男の子は、背が高く、やや垂れている瞳が印象的。


美少女と言われる女の子に、ひけを取らない美少年でした。


穏和そうな彼にジッと見つめられ、女の子の顔は髪の毛と同じ赤色になります。


「あ……どこに行きたいのよ?」


久し振りに人と話したせいで、声が震えてしまっていました。


「あ、ここに行きたいんですけど」


男の子が差し出した紙に書かれていたのは、ここから歩いて10分程の場所。


「えっと…この道を真っ直ぐ行って、最初の角を………」
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