【短】天使と悪魔のバレンタイン
「ここを曲がるんですか?」


「そうだけど………アンタ、手離してくれない?」


女の子の手は、未だに男の子の手と繋がったまま。


見知らぬ男の子に手を握られ道案内するなんて耐えられず、冷たい声で言いました。


「……離さないといけませんか?」


なのに訳の分からない発言をされて、女の子の眉間には深いシワが寄りました。


離して貰いたいに決まってる!!


「あ……当たり前でしょう!?初めて会った人に急に手握られるなんて、誰だって嫌よっ!!」


女の子は男の子と初対面にも関わらず、強い口調で言い放ちました。
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