にょんさま。
子猫を守ろうとしているのを見てうるうるしていたのはにょんである。
(;ω;)「にょ〜(王子様…)」
忍に言われたことも忘れて、つい人目も気にせず、四季の前に姿を現してしまった。
四季はにょんに気づき、「あれ?」と声をあげる。
「にょん…だよね。忍と一緒にいたんじゃなかったの?」
(;ω;)「にょー…(はい。わけあって、はぐれてました。でも忍の王子様の姿、見かけたので。ついて行けば忍のお家がわかるかもと思って…。王子様…優しいでし。にょんなんか雨が降りだしてすぐにコンビニに向かって走ったのに…)」
「王子様って…」
四季は熱っぽい表情で可笑しそうにちょっと笑い、「にょんは大丈夫?」と言った。
「だいぶ寒そうだけど…」
にょんは未だに寒さに震えていた。四季の手がにょんを撫でてくれる。
にょんのまるい姿がほわんと光を帯びた。
(・ω・)「にょん♪(大丈夫でし♪今の王子様の優しい気持ちでにょんはあったかくなったでし♪)」
忍の時と同じである。人の優しい気持ちにふれると、にょんは元気になれるのだ。
にょんのほんわかした姿を見つめ、四季は自嘲気味に呟いた。
「王子様か…。僕は本当に忍の王子様なのかな…。そうだといいんだけど」
不安げな声。にょんはいつになく力いっぱい声にしていた。
(・ω・)「にょー!!(王子様です!!にょんは指輪を探していたんです!!王子様が忍にあげた指輪、女の子が嫉妬して川に投げちゃって、それで忍が泣きそうになってたんです!!忍が王子様のこと好きって言ってるのも聞きました!!それで指輪を探したら忍が元気になるかもと思ったんです!!探している間に忍とはぐれちゃって…。でも指輪、見つかりました!!)」
探し出した指輪をきら〜んと四季に差し出して見せた。