*雪愛*-スノーラブ-





悠歌「なら…遊びたい時は俺んちおいでよ」





俺がそう言うと華美ちゃんは
「えっ?」
と驚いた返事をしてきた







悠歌「だって俺達友達だろ?なら遊びたい時に来ればいいじゃん!」







俺がそう言ったら、華美ちゃんは「で、でも…」と言葉を詰まらせた







悠歌「でも遊びたくない時は無理して来る必要ないけどな…それよりもさぁ、華美ちゃんは親に遊びたいとか言わないの?」






俺はそのことがとても気になった







遊びたいなら言えばいいのにな…







その時の俺は小4のガキだったから、華美の大人びた性格を理解できなかった







華美「お父さんとお母さんを困らせたくないから…」







華美ちゃんは悲しみや寂しさが入り混じったような複雑な顔をして俯いた







悠歌「でも華美ちゃんが嫌だと思うことなのに無理にやって楽しいの?」







ガキだった俺にしてはマシなこと聞いたなと思う…







今の俺でも、ごもっともな意見言ったと思う







でも華美は俺の率直な質問に対して、真剣にきちんとした答えを返した







華美「正直言うと楽しくないよ…。でもせっかく習わせてもらってるから、ちゃんと聞かなきゃって思う。」







あの時の俺には大人過ぎる言葉だった







華美はあの頃から周りがちゃんと見えていた







悠歌「ふ~ん…でもやってて楽しくないのにガンバれるの?」







華美「…でもやっぱり結構ガンバらなきゃかな…」







華美ちゃんは静かにそう答えた







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