SWEET HOME
喉の渇きを覚え、冷蔵庫からグレープフルーツジュースを取り出した。


本当は食べなきゃいけないんだろうけど、今夜の夕飯はこれだけで済まそう。


広いリビングに1人でいるとなんだか急に寂しくなって、普段はうるさくてあまり観ないテレビをつけてみる。


ちょうど夕方のニュースの時間だった。


画面の向こうでは、いろんな事件のことがひっきりなしに報道されている。


殺人、虐待、火事、強盗、自殺…


嫌だと思い消そうとリモコンを手にした時、ふと思い出した。


そうだ。


さっき夢で見た赤い花びらは、あの時見たものだった。


彼の仕事先の知り合いの息子さんの結婚式。


急な出張で行けなくなった彼の代わりにあたしが出席して、そしてあのことが起こった。

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