SWEET HOME
こんなんじゃいけないと思いつつ、どうしても優しい彼に頼り切ってしまう。


今哲史がいなくなったら、あたしはきっと生きていけない。


今頃あたしと子供の為にお仕事を頑張っている彼を思い浮かべたら、感謝する半面早く帰ってきてと思うあたしは、やっぱり甘えてる。


明日まで我慢。


明後日はお休みだから、体調が良かったら2人でベビー用品見に行きたいな。


気が早すぎって笑われるかな。


毎日が幸せで、小さなことでも嬉しくてたまらない。


「行こっか」


あたしはお腹に声をかけると、グレーの空に向かって傘を広げた。

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