SWEET HOME
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「……美?どーしたんだよそんなとこで」
ドアの音とともに頭の上から声がして、それまでボンヤリとしていた頭がゆっくりと動き出した。
明りがつけられ、玄関先で座り込んでいたあたしは眩しさに目を細める。
「具合悪いのか!?」
切羽詰まった声に力なく首を横に振ると、
「ビックリさせるなよ―」
安心したように息を吐き、あたしの横に荷物をドサッと置く。
「早く帰って来ちゃった。真美に会いた過ぎて」
そう言いながらあたしに手を差し出したのは、
真っ赤に塗りつぶされた
“人影”だった。