SWEET HOME
-Sweet Days-

その時。


あたしはこみあげる吐き気をなんとか抑えようと、一斉に立ち上がった列席者に紛れ1人座り込んでいた。


正面のステンドグラスから柔らかい光が射し込み、向かい合う幸せそうな2人を照らしている。


石造りの、こじんまりとした素敵な教会だった。


それに、とってもお似合いのカップル。


背が高い新郎は、真っ白なスーツに身を包みまるで王子様のよう。


丸顔の新婦は愛らしい頬を薔薇色に染め、幸せいっぱいに輝いていた。


でもそれは―――




遠い幻。







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