君と僕の関係 ~ St. Valentine's Day ~ (完)
「せっかくのバレンタインなのに、ケンカとか嫌じゃん。あ」
オレの視界に、パンと飲み物を持ったさえの姿が入った。
今日は購買で昼飯を買う日らしい。
オレの『さえセンサー』は誰よりも敏感だ。
「さ…」
オレが右手を上げてさえの名前を呼ぼうとした時、さえと目が合った。
そして、すぐに、プイッと反らされた。
さえの姿が校舎の中に消えていく。
「――放置されてるってわけか?」
友達は首をかしげながら聞いてくる。
「うーん…だと思いたいけど」
違う気がするんだよな…。
いつもなら、目配せくらいはしてくれるし…。
うぅぅぅぅん…わからん!