海の恋人 ~人魚姫×最強総長~ 【上完】
「じゃあ早速始めるから俺の質問に答えてくれる?あ、ちなみにー俺は"滝川将"通称、滝さん!ちゃんとした医者だからなにも心配するな!」
滝さんは目の前にあるくるくる回る椅子に座って私の正面を向いて言った。
滝さんかあ…とても、明るい人だなあ…
「答えてね?まず、名前を教えてください。」
「わかりません…」
また驚く顔をされるのかと思ったけど滝さんは微笑みを浮かべたままだった。
「じゃあ自分の住んでいた場所は?」
「わかりません…」
私はただそう答えるしかなかった。
「んー、でも言葉わかるんだよね?」
言葉はわかるけど、みんなと会話しててわからない言葉が多すぎる。
「一応わかります。でも皆さんと話していてわからない言葉があるんです…」
私がそう言うと.滝さんは考え込む様に、うーんと唸っていた。
「じゃあ、例えばなんの言葉がわからなかった?」
「関東とか暴走族とか倉庫とか…です」
「そっかあ。うーん…」
滝さんはさらに頭を抱え込んだ。
「じゃあ、とりあえず頭のレントゲン撮りたいからここに寝てもらえる?」
「は…い」
よくわからなかったけど台の上に横になった。
私が横になったのを確認して変な物を私の頭に取り付けた。
「写真撮るだけで痛くないから安心してね」
私が不安そうな顔をしてたからなのかそう言ってくれた。