雨粒のワルツ
センパイが椅子から立ち上がり、こちらに来る。


でも、なぜか身体は動かなかった。




動けないまま手にぶらさげているバイオリンと弓をセンパイはそっと受け取ってピアノの上に置いた。


そして、そのまま私の腕を力強く引き寄せる。







心臓が止まってしまうかと思った。


押し付けられたセンパイのシャツからはとてもいい香りがする。

そして頬を伝って、センパイの鼓動が速いことにも気がついた。




「梨花ちゃん・・・俺と、つきあわない?」







これは、夢・・・・?



何も答えられずにいると、センパイの細い指が私の頬に添えられて上を向かされる。
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