雨粒のワルツ
きれい・・・
日に透けて金色に光るサラサラした髪も
流れるように動いている指先も
すべてがキラキラと輝いて見えた。
「あ・・・また、八木澤センパイがピアノ弾いてる」
その時、校舎の向こう側を通りすがった女の子がそうつぶやいた。
八木澤センパイ・・・?
彼が弾いていたのはショパンの「別れの曲」だった。
とても優美なメロディに思わずうっとりしてしまう。
私はそのまま壁にもたれ窓の外からそのメロディに耳を傾ける。