雨粒のワルツ
「ね、良かったら中に入らない?」


彼の声はいつもの彼のピアノの音のように優しく響く。


「今日は雨だけど、キミが来るのと思って待ってたんだ」


そう言ってくれる彼に、私はゆっくりと振り向いた。





どうしよう・・・



顔が熱い。

きっと私、真っ赤な顔してる。




「おいで」

彼の優しい声に、私は小さくうなづいて正面玄関に回り傘を閉じた。


彼も音楽室から出てきて、私を迎え入れてくれる。
< 9 / 20 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop