アイムホーム
なんで、こんなの・・・・
不思議に思いながらビーサンに足を突っ込んでドアノブに手をかけると、後ろからオーナーがついてきた。
「悪かったわ。仕事さえちゃんとしてもらえればいいの。誰だって触れられたくない話はあるわよね」
そう言って、壁に寄りかかりその男物のウェットスーツを切ない瞳で見つめた。
「メシ、うまかったです。ごちそうさまでした」
俺はその感情に気づかないふりをして外に出た。
外に出るとすっかり太陽が昇り、道路はカラカラに乾いていた。
せみの声や波の音が心地いい。
青い海と青い空はどこまでも遠く続いている。
・・・俺は何があってもここで
ここで生きていく。
その時、はっきりとそう胸に誓ったのだった。