アイムホーム
「あ、カオル。そのマンゴーいいね、一口ちょうだい」
「ん」
カオルは小さく切ったマンゴーのかけらをオーナーの口に入れる。
「ん~甘い、おいしい!!」
そう言いながら、他にもカットしたフルーツをぱくぱくと口に入れる。
「あ、ちょっと、オーナー!!」
カオルが止めないので、俺が焦ると不意にぽんと口の中にパインを放り込まれた。
「私のことは、フミ。OK?」
唇に一瞬触れたフミの指先が妙に柔らかくて、俺は顔を赤くしたままうなづいた。
「そうそう、今夜お店閉めたら、歓迎会しよ」
「どこで?」とカオルがフルーツをタッパーにしまいながら答えた。
「ヒロん家で」
・・・・・・
「えええ!!!」
一瞬理解できずに声を出すのが遅れてしまった。
「いいじゃない、あんな豪華なマンション住んでるんだから。一度行って見たかったのよ」
半ば強引に押し切られ、俺はしぶしぶ了承したが・・・