アイムホーム
「・・・フミは何を探してるの?」
まっすぐに降りてくる瞳に目がそらせない。
「・・・これ?」
ヒロは答えない私を無視したまま、手のひらの中の指輪を見せた。
「それとも、俺?」
見つめられた瞳がゆらゆらと揺れ始める。
その表情はまるで、迷子になってしまった子供みたいで
私はなんと言ったらいいのかわからず黙っていた。
「ねえ、どうして自分の心は見せようとしないのに、簡単に俺の心に入ってくるの?」
その言葉に、身体がびくりと反応してしまう。
ケンのこと忘れて幸せにはなれない。
そう思いながらも、誰かにすがってしまいたい。
誰かに甘えて泣いてしまえたら・・・
いつもそう思ってきた。
ヒロに出会ってからはその反動が大きくて、自分でもうまくコントロールできていない。
気づくと、ヒロの顔が目の前に迫っていてそのまま手のひらで視界を遮られた。