アイムホーム
5.ケータンナー
フミが不在の間は、恵美香やカオルの友人が手伝いに来てくれた。


「ヒロさん、元気ないね・・・」

恵美香がそうつぶやくと、カオルは無言でうなづく。




営業時間後は、手伝いに来てくれたカオルの友人と飲んだくれた。

アメリカにいた頃とはまた違った交流の仕方がとても新鮮だった。

時折カオルの友人が釣ってきてくれる魚はうまい。

沖縄弁は相変わらず意味不明だったけど、よくわからないまま笑ってれば

とりあえずフミのことを思い出さずに済んだ。


そして、週に1回の店の休業日の前日。

ようやくフミが帰ってきた。


「お姉ちゃん、おかえり。どうだった?」

その日はカオルと恵美香の家へと招かれた。

沖縄らしい平屋で個室などない畳敷きの部屋だ。



その真ん中にある大きなテーブルの前にフミはちょこんと座っていた。

実家から戻ってきたフミは見慣れないワンピース姿だ。

なんだかいつもと違う雰囲気で、少し戸惑ってしまう。
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