アイムホーム
「フミ」
初めて、ちゃんと呼んだ気がする。
俺は足を止めてフミと向かい合った。
「俺は、おまえとこの沖縄で一緒に生きていきたい」
その言葉はとにかく俺の何も飾らない一番奥底に秘めていた想いだった。
気づかないフリをしていただけ
本当はずっと、どうしたいのか、どうすればいいのか
わかっていたような気がする。
時折通り過ぎる車のヘッドライトに照らされたフミの顔が、ゆっくりとゆがんでいく。
立て続けに通りすぎた車の列が終わり、再び暗闇に包まれると
俺たちはどちらからともなく、抱きしめあった。
フミが俺のシャツをぎゅっと握る。
俺は細いフミの体を出来るだけ優しく強く抱きしめた。