クレパス
「あのね、高木、昔のオンナを忘れられないんだって」
え……。
いや、私はまだすきじゃないし!
名前すら知らなかったわけで……。
言い訳を重ねてみても、あれだけの瞳をしたオトコを見て、惚れない女なんているのだろか。
「ああ、あの美形の名前は高木雄輔だよ、ほら見てあの指輪……。」
ミキ言った通りに、そこに目を移すと、銀色に光るものを見つけた。
なぜか、ズキリと胸がイタむ。
なんで……。
「だからまじで狙わないほうがいいよ……。」