わたしの彼氏は怪盗さん★

中学卒業

いつもの自分

　いつも変わらない。
　ぜんっぜん変わらない。
　彼氏がいるってどんなんだろう。
「あ～もう！！しっかりしろ私！！お姉ちゃんのことでトラウマになるな！！」
　そう、私にはお姉ちゃんがいた。けどおねえちゃんは半年前急に別れた。原因は暴力。サイテーだ。わたしはちゃんとした彼氏を作るつもりだ。
「翠～、いる～？」
　のんきにドアを開けたのはお姉ちゃん。
「何？またアレンジしたいの？」
「ちがうよ～。あんたの進路！！もう受験でしょ～」
　お姉ちゃんは世間から人気が殺到するぐらいのすごい腕の持ち主だ。
「白バラ学園なんてどう？翠のせいせきでもいけるよ～」
「うん。そうする。」
　実際、土曜日の部活の帰りに、学園前を通った。
　すごくうれしそうに咲いているバラたち、その先には、天使でも住んでいるかと思わせるようなきれいな建物があった。
「君もここ受けるの？」
「う…うん。」
　そこに立っていたのはきれいな黒い紙で私の背より頭一個分は大きい、神秘的な黒い瞳をした男の子が立っていた。
「受けるなら…合格してから名前を聞くよ。僕に会うと無条件で合格なんだけどね…」
「…え？」
　もうそこには男の子はいなかった。気配もしない…
「そうだ！！明日の準備しなきゃいけないんだ！！早く帰ろう！」
「ニヤ…さて…何をいただこうかな？」