ヤンキー彼氏


「どした?」


「…殴られました」


「あ?」


つい、低い声が出てしまった。


誰だよ、友ちゃん傷つけてるやつ。


「ごめん、で、誰に?」


「いや、大丈夫ですから」


そういって俺の腕からするりとぬけた。


「大丈夫じゃない、俺が」


「いえ、私は大丈夫なので」


「頼れよ」


これが多分本音だと思う。


自分が自分じゃない。


それくらい、今狂ってる。


「…頼れよ」


今度は優しい声で友ちゃんにいった。


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