ヤンキー彼氏
「…直らないよ??」
「え?」
「あたしについた傷も全然直んない。」
「キズ…??」
「あたしも…廉さんのファンたちにやられちゃった」
「……」
「でも、廉さんが好きなことだけは諦めきれなくて言ったの。
『私は絶対こんな卑怯なまねはしたくない。
こんなことして、廉さんが振り向いてくれるはずないし、
むしろ、嫌われると思うから。
正々堂々戦えばいいじゃない。
皆、可能性がない訳じゃないんだから。』って。」
廉さんは、キレイな涙を流す友を見て、優しく引き寄せた。
「あたし…わかったの。
すごく、すごく、廉さんのこと好きな人はいっぱいいる。
でも、結局幸せになれるのは、一人だけで。
本当は付き合えて、幸せを味わえて嬉しいはずなのに…
なんでかなぁ。
たくさんの人を傷つけてることになってて、
たくさんの人の笑顔も奪ってしまってるんじゃないかな
って思うと悲しくて。」