『彼女』に送る夜想曲【ノクターン】
「そうだなぁ、咲がいるのも珍しいし、今度の日曜はみんなで遊ぶか!」
「やったぁ!そう来なくっちゃ!」
淳の参加に香奈の声はさらに明るさを増す。
「そのきょーこちゃんとやらには、きちんと謝っておくんだぞ」
昂が念を押す。
その様子を微笑みながら眺めていた咲は、立ち上がって言った。
「じゃあ、そろそろ帰るね」
昂も立ち上がって言う。
「そうだな、寒くなったしな」
「あ、待って咲!一緒に帰る!」
香奈も慌てて立ち上がる。
「え〜、みんな帰んの早くない?」
そんなことをぼやきながら淳も立ち上がった。
そして、四人は帰っていった。
穏やかな日々
それは脆くも崩れ去ることになる
そう、このときは誰もが信じていただろう・・・
楽しく遊べる日曜が来ることを・・・