『彼女』に送る夜想曲【ノクターン】
「お前達!!そこを動くなよ!!」
男達はそう言うと、大股で咲達の方にやってくる。
その雰囲気は重く、明らかに咲達を不信がり、半分怒っているようだった。
よく見ると、その男達はそれぞれ腰に剣のようなものを差していた。
それを鞘から抜き、咲達の方に構えながら歩いてくる。
「ねぇ、何かまずくない?」
咲がポロッと言う。
本能的に生命の危険を感じた。
「あぁ。町か何かあるか聞こうと思ったけど、それどころじゃない様子だね」
昂は半歩後ずさった。
こうしている間にも、男達はどんどんと近づいてきていた。