カタオモイ.
桜のお母さんの
好意に甘えて、
私達はソファへ
腰を下ろした。
間もなく、桜が
リビングへ戻ってきた。
「ごめんごめんっ!
行こうかっ」
桜は私達を玄関へ
促した為、お礼を言って
家を出た。
「本当ビックリしたあ、
いきなり
入ってくるんだから」
言いながらも嬉しそうな
顔をした様に私には見えた。
「いやぁ、
誕プレ買ってなかったから
その代わりに、と思って」
アッキーナが桜に
経緯をなんとなく教える。
「ふううん。
ま、ありがとね」
「そんな何回も
お礼言わなくっていいから」
やりとりを続けていると、
すぐに学校に着いた。
元々桜の家は学校から
3分もかからない
位置にあるから、
家で最後に見た
時間とさほど
変わらなかった。
久しぶりに、
お腹から笑った日だった。
それに私は、
---を知らないのかな。
噂好きだから、絶対
その話になると思ってたのに---
こんな事も思っていた。
でもまぁ、気にしていても
仕方がない。
そう思ってあの事に
関しては何も言わなかった。
この日を境に、
私はまた
桜と前みたいに
よく遊ぶ様になった。