カタオモイ.
「俺思ってたんだけどさ、
軍手しておいた方がよくない?」
私が目のやり場に困って
伏せていると、声をかけてきた。
「そ...そーだね!
本当だ!
軍手軍手...」
私は[持ってくる物]
と書いて、
その下に軍手と書く。
「他に何か要るかなあ?」
首を少し捻りながら
ハルに問いかける。
普通に接するんだ、自分。
淳と話すみたいに、
フレンドリーに。
私が好きって
自覚する前みたいに。
「他にって、
それ以外は学校が用意
してくれるんじゃね?
一回先生に持ってくるモン
聞いてくるわ」
私の了承を得ることも無く、
ハルは先生の方へ向かう。