カタオモイ.










「んー、やること無いな」


ハルの方を向くと
気だるそうに伸び
しながら言った。



これは私に言っているのかな。
それとも独り言?


「そうだねー、
もう別に決める事無いし」


私は自分に言ってるんだと
信じて、ハルに同意した。



ちゃんと笑えてるかな。
間違ってないかな。



「おー、本当やることないし。
でも自分達が育てたお米を
自分達で炊いて食べる
って俺、結構楽しみなんだけど」



どうやら当たりくじを
引いたらしい。


ハルは今日、
私が聞いている中で、
一番長く喋ったと思う。



「って、
別に私達が作った訳じゃないし」


私は、
「気がついてたら
大きくなってたーみたいな」
と付け加えて、笑う。



そしてハルも笑う。









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