運命の人
夜桜が導く出会い
そろそろ日付が変わろうという頃、まだここにいるという美弥子を残し、香織はBarさざなみを後にする。
いつもであればそのままタクシーにのり帰宅するのだが、店を出て左前方に普段はない明るさと、そこから聞こえる陽気な声が気になった。
「あぁ。夜桜か」
香織は少し考えて、その明かりの場所に桜並木があった事を思い出した。
そして、『夜桜は見たことなかったな』と思い歩を進めた。